東京オリンピックへの寄付金の法人における税制上の扱いは?  2019-09-18

  

  いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、

東京オリンピック)の開催まで1年を切りました。

大会を運営する東京オリンピックの競技大会組織委員会では

大会を成功に導くため、法人・個人を問わず、寄付金を募っています。

大会を成功させるためには欠かせない寄付金ですが、

実は、寄付することで、税制上の優遇措置を受けられるという

メリットがあります。

 
今回は、法人としての寄付金にまつわる税金の取り扱いについて

ご紹介します。

 

  寄付金には四つの種類がある

東京オリンピックへの寄付金は、『指定寄付金』とされています。

そのため、法人が寄付を行った場合はその寄付金の全額を損金として

計上できるようになっています。

そもそも寄付金には四つの区分があり、すべての寄付金が全額を

損金として計上できるわけではありません。

次に『指定寄付金』も含めた四つの寄付金について、ご紹介します。

(1)『指定寄付金』

公益を目的とする事業を行う法人等に対する寄付金のことで、

公益の増進に寄与し、さらに緊急を要する事業に充てられるものとして

財務大臣が指定して告示したものをいいます。

つまり、今回の東京オリンピックのような国家規模のプロジェクトのほか、

国宝の修復、私立学校や国立大学法人の教育研究、

さらに有名なところでは

赤い羽根募金なども、この『指定寄付金』に該当します。

(2)『国・地方公共団体に対する寄付金』

国や都道府県、市区町村などの自治体に対する寄付金で、たとえば、

公立高校や公立図書館の建設や管理・運営などに使われます。

また、震災が起きた際に、国や地方自治体に寄付した義援金なども、

この『国・地方公共団体に対する寄付金』に当てはまります。

(3)『特定公益増進法人に対する寄付金』

教育や科学の振興、文化の向上や社会貢献、その他公益の増進に

著しく寄与する特定の法人に対する寄付金を指します。

『特定公益増進法人』とは、身近なところでいえば、学校法人や

福祉施設などを運営する社会福祉法人があげられます。

このほかには、日本赤十字社をはじめ、独立行政法人や公益財団法人、

公益社団法人、更生保護法人なども『特定公益増進法人』です。

(4)『一般寄付金』

上記の(1)から(3)に該当しない寄付金のことです。

たとえば、お寺や神社などの宗教法人や政治団体、町内会などへの

寄付も、この『一般寄付金』に該当します。


損金として計上できる限度額とは?

(1)から(4)の寄付金の区分のうち、

どの区分に当てはまるかによって、損金として計上できる

限度額が異なります。

この四つの区分のなかで、寄付した全額を損金として計上できるのは、

『指定寄付金』と『国・地方公共団体に対する寄付金』の二つです。

それ以外の『特定公益増進法人に対する寄付金』と

『一般寄付金』に関しては、損金算入の限度額が設けられているため、

寄付金のすべてを損金として計上することはできません。

『特定公益増進法人に対する寄付金』と『一般寄付金』に関しては、

の計算式で限度額を求めることができます。

『特定公益増進法人に対する寄付金』は

『(期末資本金等の額の 0.375%+所得金額の 6.25%)×1/2』で、

『一般寄付金』は『(期末資本金等の額の0.25%+所得金額の2.5%)×1/4』

という式です。

寄付金を損金として計上する際に注意しておきたいのは、

会社側が寄付だと思って相手や団体に金銭を譲渡したとしても、

寄付にならないケースもあることです。

寄付とは、基本的に対価として支出するものではないため、

寄付金の支出は消費税の計算上、課税仕入れとはなりません。

しかし、たとえ名目が寄付だとしても、その寄付に物品や

サービスの提供等が伴えば、課税仕入れとなる場合もあるのです。

たとえば、寄付を行ったつもりが、結果として自社名が

大々的に出て会社のPRになってしまった場合は、

寄付金ではなく広告宣伝費として扱われます。

また、会社のある町内会の行事のために金銭を

寄付した場合は、接待交際費に区分されます。

寄付は募る側の組織にとっては、さまざまな活動や

団体を維持していくために必要不可欠なものです。

 
また、寄付をする法人にとっては、

税制上の優遇措置を受けられるというメリットがあります。

 
東京オリンピックの開催を機会に、社会貢献にもなり、

損金として計上できる寄付について、考えてみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2019年9月現在の法令・情報等に基づいています。



税金についてのご相談は斎賀会計事務所までお気軽にご連絡ください。


 

定年延長前と後の入社で異なる『退職一時金』の税務上の取り扱い    2019-09-12

   近年、人材不足を背景に、就業規則を見直すなどして、

従業員の定年を延長する企業が増えてきました。

これに伴い、定年の延長前から働いている従業員と、

定年の延長後に入社した従業員とでは、支払われる『退職一時金』の

取扱区分が異なります。

今回は、両者の退職一時金の税務上の取り扱いについてご紹介します。


定年延長に伴う退職金の取り扱いは?

企業は安定した雇用を確保し、過不足のない人員配置で

事業を進めていかなければなりません。

しかし、近年の人材不足を受け、なかなか新規採用も

むずかしい状況です。そこで打開策として、

定年を引き上げる企業が増えてきました。

高年齢者雇用安定法により、企業における定年は60歳以上と

決まっており、また、希望者は原則として65歳まで働けます。

厚生労働省の『平成29年就労条件総合調査』によると、

定年制を定めていない企業が4.5%しかないのに対し、

定年を定めている企業は95.5%にも及び、

さらに60歳を定年にしている企業は79.3%と、

大多数を占めます。

 
近年は、就業規則を改定するなどして、この60歳の定年を

64~65歳までに引き上げる企業が目立っています。

今後の統計では、60歳を定年にする企業の割合が

減少していくと予想されています。

さて、従来60歳が定年だった企業が、定年を65歳と定めた場合、

退職金の取り扱いはどうなるのでしょうか。

ある企業では、従業員の入社時期に関係なく、

従業員が従来の定年の60歳を迎えた時点で、退職一時金を支給する

と定めています。

退職金が定年で支払われることを前提に生活設計を立てている

従業員も少なくありません。

企業側の事情で定年を65歳に延長し、併せて退職金の支払いも

65歳になってからにしてしまっては、

この生活設計が崩れてしまう可能性もあります。

これらの理由から、従業員が従来の60歳になった時点で、

退職一時金を支給するという企業側の配慮は、

従業員の生活の面でもよいことといえます。


定年延長前と後の入社で区分が異なる

しかし、ここで退職一時金の取り扱いが問題になってきます。

定年を65歳に延長する前に入社した従業員に関しては、

60歳で支払われる退職一時金は、いわゆる『退職所得』

という区分で処理します。

退職金は、基本的には、企業年金や内部積立金によって構成されており、

たとえ定年が65歳に延長されたとしても、入社から前の定年である

60歳までの勤続期間に起因するため、退職一時金を退職金とみなし、

その給与を退職所得とします。

一方で、定年が65歳に延長された後に入社した従業員に関しては、

この限りではありません。

定年延長後に入社した従業員は、入社の時点で定年が65歳と

定められていたため、いわゆる延長前に入社した従業員とは

同列に扱われず、60歳の時点で支払われる退職一時金も、

退職所得ではなく、『一時所得』に区分される可能性が高くなります。

退職金とは、入社から定年までの勤続期間に関わるものであるため、

定年が65歳という前提で入社した従業員に関しては、

60歳の時点で支払われる退職一時金は、

退職金とはみなされないというわけです。


取り扱いが異なる退職所得と一時所得

退職所得と一時所得では課税の取り扱いも異なってきます。

退職所得は分離課税といって、ほかの所得とは分離して

税額を計算するのに対し、一時所得は総合課税といって、

その年度にほかの所得があれば、合算して税額を計算します。

また、控除額も変わってきます。

退職所得の控除額は勤続年数が21年以上の場合は

『800万円+70万円×(勤続年数-20年)』という計算式、

勤続年数が20年以下の場合には

『40万円×勤続年数(最低80万円)』という計算式で求めます。

一方で、一時所得の控除額は、一律50万円となっています。

この50万円はほかに一時所得があれば、

それも合算してから控除されます。

また、ほかの所得と合算する際に、上記計算で求めた

一時所得の1/2に相当する金額を合算します。

このように、名目上は同じ退職一時金だったとしても、

従業員の入社時期によって、区分が退職所得か一時所得かに

分かれてしまうケースがあるのです。

もちろん、これはあくまで事例の一つにすぎず、

すべての企業に当てはまるわけではありません。

しかし、定年延長をすることによって、従業員の退職一時金の

控除額が変わる可能性があるということを押さえておきましょう。


※本記事の記載内容は、2019年8月現在の

        法令・情報等に基づいています。 

退職金の税務についてお知りになりたい方は

お気軽に斎賀会計事務所へご相談ください。


 

減税効果が高い3つの『特別減税制度』とは?    2019-08-28

しい企業間競争を勝ち抜くためには投資や研究開発が

欠かせません。

しかし、経営者は常に会社運営の資金繰りに頭を

悩ませています。

そのような中小企業の活動を支援し、

投資などを促進するために国が定めている減税制度が

『特別減税制度』です。

今回は、特に減税効果が高い3つの制度を紹介していきます。


積極的な事業活動を強力にサポート


1.中小企業投資促進税制

 中小企業者等が積極的な設備投資を行えるように定められた減税制度で

指定の期間内に対象設備を取得又は制作して国内にある製造業、

建設業などの指定事業の用に供した場合に、

その指定事業の用に供した日を含む事業年度において

特別償却又は税額控除を受けることで法人税が減額されるというものです。

 対象となる設備は、新品で購入したもののうち、

機械装置で1台の取得価額が160万円以上のもの、

測定工具及び検査工具で1台の取得価額が120万円以上、

1台30万円以上かつ複数合計120万円以上のもの、

ソフトウェアの取得価額が70万円以上、

複数合計70万円以上のものなどです。

 一定の条件を満たすと、基準取得価額の30%相当額の特別償却か、

基準取得価額の7%相当額の税額控除が選択適用されます


2020年度末までの適用期限となります。

2017年度税制改正で一部の器具備品が象外となっているので、

活用の際はご注意ください。


2.中小企業技術基盤強化税制
 

中小企業者等の製品製造や技術改良・発明などを支援する目的で、

損金の額に算入した試験研究費の額の一定割合の金額の

税額控除を行う減税制度です。

 試験研究費には新製品を作るための材料費や人件費、

外部に委託した費用などが含まれ、試験研究用の資産を購入した場合は

減価償却した金額が含まれます。 

中小企業者等はその事業年度の法人税相当額の25%を上限として、

増減試験研究費割合に応じて、試験研究費の額の12%~17%相当額の

税額控除が認められます

(ただし控除率12%超の部分は2020年度末までの時限措置です)。

医薬品など、研究開発に多大なコストがかかる中小企業には

心強い制度です。


3.所得拡大促進税制


 積極的な賃上げ、人材投資や生産性向上に取り組む

企業を支援する制度です。

 中小企業者等については、給与総額が前事業年度以上で、

継続雇用者給与等支給額を前年度比1.5%以上増加させた場合に、

増加額の15%分の税額控除が認められ、

さらに前年度比2.5%以上増加させ、かつ

人材投資や生産性向上への取り組みなど

一定の要件を満たした場合には

増加額の25%分の税額控除を受けることができます。

2018年4月1日から2021年3月31日までに開始される

各事業年度にて適用されます。
 

このような減税制度をうまく活用すれば、

資金面で諦めていた設備投資や人材投資、

商品開発が積極的に行えるようになり、

新プロジェクトを立ち上げるなど、より戦略的に業務を進められます。


※ 制度の利用について詳しくお知りになりたい方はお気軽に斎賀会計事務所へご相談ください。


 

法人税支払額に大きな差が出る?  “役員報酬”の目安    2019-08-21

役員報酬を、どのように設定していますか?

役員報酬は設定額によって法人税の金額に大きな差が出るため、

多くの経営者にとって頭を悩ませるポイントです。

特に起業したばかりの経営者は、法人税の支払い額を見越したうえで、

資金繰りを考えなければいけません。

役員報酬の金額の目安は、どのくらいなのか?

役員報酬をいくらに設定すると、節税につながるのか?

今回は、そうしたお悩みを解消する、役員報酬の設定についてご説明します。  


役員報酬を高くすると資金繰りで困る場合も

役員報酬の金額を決めるときは、多くの場合『役員が受け取る報酬』と

『支払う税金(法人税)』を比較して検討します。

現状の税法では、役員報酬の損金算入額には制限があるからです。


そのため、節税できる範囲(損益算入)で設定する必要があります。

このことを知らずに役員報酬を高額に設定してしまうと、

後々、資金繰りで困ってしまう場合があります。

会社の利益を抑えて法人税の納税額を少なくしようとしても、役員報酬が損金として認められず、

想定以上に法人税が高くなるケースがあるからです。

起業したばかりの経営者の方は、特にこの点に注意するようにしましょう。

なお、現在の税務上で会社の損金として認められている役員報酬は次の通りです。


・定期同額給与

・事前確定届出給与

・利益連動給与

・退職金

・ストックオプション

・使用人部分の給与のうち相当なもの

これらに当てはまらない役員報酬は損金になりません。


また、その役員の職務内容や類似法人の支給状況と照らした場合においても、

職務の対価として相当な金額である必要があります。

社員に支払う給与と比べて、役員報酬には税務上、さまざまな制限があります。

そのため、『役員が受け取る報酬』と『支払う税金(法人税)』を比較して決めることになるのです。


利益を会社と個人でどう分けるかがポイント

法人税などの税金を考慮して役員報酬を設定するとき、事業で得た利益を

『会社』と『個人』でどう分けるかがポイントとなります。

たとえば、利益が1,000万円で役員報酬が500万円の場合、

・会社の利益:1,000万円-500万円=500万円(これに法人税がかかる)

・個人の利益:500万円(これに所得税がかかる)

それぞれの利益や所得金額によって、法人税や所得税の税率が変わりますが、

この税率の差が節税につながります。


法人税は、中小法人の場合、課税所得が800万円を超えると税率が上がるため(約34%)、

会社の利益が800万円超となるかどうかが、役員報酬を設定するときの判断ラインとなります。

所得税は所得控除もあるので一概には言えませんが、

年収600万円であれば20%の税率で収まると考えられるため、

このあたりを一つの目安として考えることができます。


役員報酬は事業年度の初めに決めて、その後特別な事情がない限り、

原則1年間は変更できません。


会社の資金繰りにも影響する大事なものなので、設定する際はよく考えて、決定しましょう。


※ 役員報酬額の検討等でお困りの方はお気軽に斎賀会計事務所へご相談ください。

従業員の給料だけじゃない! 源泉徴収が必要な対象者や範囲とは?    2019-08-15 

『源泉所得税』とはどういうものなのか、

その意味をご存知でしょうか。

 源泉所得税とは会社側が従業員の代わりに源泉徴収し、

税務署に納める所得税のことをいいます。

実はこの源泉所得税は従業員だけではなく、

社外の人間が対象になる場合もあります。

今回は、源泉徴収が必要な対象者やその範囲を解説していきます。


会社が支払うべき源泉所得税とは?

所得税は個人の所得に関する税金です。

1年間の所得に応じて税率が算出され、

個人事業者などは自ら税務署に納めなければいけません。

一方、法人化している会社は、雇用している従業員の所得に応じた税率の源泉所得税を徴収し、

税務署に納めるところまでを行わなければいけません。

つまり、源泉所得税とは、法人の場合、会社が従業員から所得税を預かって、

従業員の代わりに税務署に納める制度だと言い換えることができます。


本来であれば、従業員は自分で税務署に所得税を納税しに行かなければいけませんが、

税務署と従業員の負担を軽減するためにも、

会社側がすべての従業員の源泉徴収を行い、

税務署に納めるという仕組みになっています。


次に源泉徴収の流れを見ていきましょう。

会社を設立し、従業員を雇用すると、

まず『給与支払事務所等の開設届出書』を税務署に提出します。

これは、従業員の給与やボーナス、退職金などの所得から源泉徴収を行うという証です。

そして、この届出書を出さずに勝手に源泉徴収を行うことはできません。

次に会社はすべての従業員から『扶養控除等申告書』を提出してもらいます。

所得税は所得の税額はもちろん、

扶養している家族の人数によっても税率が変わってきます。

当然、扶養している家族の人数が多ければ多いほど、税率は低くなります。

また、扶養控除が適用になる従業員と

適用にならない従業員とでも税額が異なってくるので、

扶養控除等申告書は、会社側が従業員の扶養人数を把握するために必要なもので、

変更がなくても毎年提出してもらいます。


源泉所得税は、まず従業員の残業代や各種手当てなどを計算し、

そこから社会保険料を差し引いた金額をベースに、

税額表と照らし合わせて求めることができます。

税額表は毎年変更されるので、その都度、チェックしておかなければいけません。

また、2037年12月31日までの所得には、

所得税に加えて、東日本大震災からの復興のための『復興特別所得税』が加算されます。

復興特別所得税は、基準所得税額×2.1%で求めることができます。

こうして各従業員の源泉所得税を計算したうえで、

原則として給与支払月の翌月10日までに納税をしなければいけません。

この日程は、給与の支払いが10日でも月末でも変わりません。

ちなみに、上記は給与における源泉所得税の求め方で、ボーナスや退職金はそれぞれ計算方法が異なるので注意してください。


支払い方法は、納付書を持参し、

税務署や銀行・郵便局等の窓口で処理する方法と、

振替口座から引き落としてもらう方法、

さらにネットバンキングを使った方法などがあります。

これらの源泉所得税は、ほかの税金と同様に、

毎月支払わなければならず、

申告しないと延滞税が発生するなどのペナルティーが課せられるので注意しましょう。

ただ、源泉徴収の対象者が10人未満の会社であれば、

届出を提出することで、

源泉所得税の6カ月分をまとめて納税できる『納期の特例』を利用することができます。


外部の業者が源泉徴収の対象になる場合

また、源泉所得税は自社の従業員だけではなく、

外部の業者に対して徴収して代わりに納税しなければならない場合もあります。

ある仕事を外部業者に発注した場合、

その業者が法人であれば源泉所得税の徴収は不要ですが、

個人であれば、源泉所得税徴収の必要が出てきます。

国税庁では、源泉徴収が必要な報酬・料金などの範囲を定めており、

それによれば、個人の『原稿料』や『講演料』、

弁護士や公認会計士、司法書士などへの『報酬』や『料金』、

さらにプロスポーツ選手や芸能人、モデルなどに支払う『報酬』や『契約金』、

広告宣伝のための『賞金』などが対象になります。

ただし、コンクールや懸賞応募作品など入選者に支払う賞金等については、

1人に1回で支払う金額が5万円以下であれば、

源泉徴収をしなくてもよいことになっています。

また、外部業者に支払う金額から源泉徴収を行う場合には、

いくつかの注意点があります。

『謝礼』や『研究費』、『車代』などの名目であっても

実態が『報酬』や『料金』であれば、源泉徴収の対象になりますし、

金品ではなく物品で支払ったとしても、『報酬』や『料金』とみなされます。

さらに、報酬や料金として支払った金額の全部、

原則として、消費税を含んだ額が源泉徴収の対象になります。

ただし、弁護士や税理士などからの

請求書等に報酬・料金等の金額と消費税等の金額とが明確に区分されている場合には、

消費税等の額を除いた報酬・料金等の金額のみを源泉徴収の対象としても差し支えありません。

源泉徴収の範囲は従業員だけでなく、場合によっては外部の業者にも及びます。

源泉徴収の対象となる範囲を理解し、正しく徴収したうえで、納税を行うようにしましょう。


※ 源泉徴収事務等でお困りの方はお気軽に斎賀会計事務所へご相談ください。

法的効果はある?電子契約を取り交わすメリット     2019-08-01   

企業間で取引を行う際の契約は、以前は紙面で結ぶのが当たり前でしたが、

近年は電子契約も普及しています。

電子契約とは、契約の締結や、それに付随する管理業務を

すべてインターネット上で完結させるというもの。

いったいどんなメリットがあるのでしょうか。


法的有効性も認められ広く利用されている電子契約

 近年、電子契約システムを提供する企業が数多く存在しています。

1998年7月の『電子帳簿保存法』の施行を皮切りに、

2001年4月には『電子署名法』と『IT書面一括法』、

2005年4月には『e-文書法』と、次々と電子契約に関する

法整備が敷かれた結果、

電子契約は広く利用されるようになり、

法的有効性も認められています。

日本文書情報マネジメント協会『JIIMA』が行った調査においても、

2015年時点で「電子契約サービスを導入・検討している」と

回答した企業は、43%にのぼっています。

 ただし、電子契約はデータなので、改ざんや偽造、なりすましが簡単にできます。

そのため、電子契約では“電子署名”と“タイムスタンプ”が重要になります。

電子署名は、これまでの契約書で行われていた

押印や署名に代わるもので、

それらと同等の効力を持っています。

しかし、電子署名のみではその署名がいつのものかわからず、

契約日の確定や電子署名の証明効力の失効に対応できません。

だからこそ、タイムスタンプの埋め込みが必要なのです。

これにより、文書作成時刻についての信頼性を客観的に

保証することができます。


電子契約の導入により金銭的・時間的コストが削減


では、電子契約を導入すると、どんなメリットが得られるのでしょうか?

電子契約にすると、契約書作成にかかる印刷や製本、

郵送といった業務がなくなるため、コスト削減になります。

PCで管理するので従来の工程の省略も可能です。

また、電子契約は印紙を貼る必要がないので、

契約書を作成するたびに必要だった、数千~数万円の印紙代も不要です。

ひと月に多くの契約を行う企業にとっては、多大なコストカットとなるでしょう。

 郵送業務がなくなるため、金銭的コストだけでなく、

従来の契約締結にかかる時間的コストも大幅にカット

することができます。

これにより、それまで2~4週間必要としていた契約締結を、

早ければ1日で終わらせることも可能です。

また、改ざんのリスクが減り、アクセス履歴も残るため、

コンプライアンスの強化にもつながります。

 このように非常に有用な電子契約ですが、

投資信託契約の約款や定期借地契約といった、

書面での締結が必須の契約には利用できません。

また、取引先の理解を得る必要もあるので、

導入する際は、メリットと目的についてよく考えるようにしましょう。


※ 契約書作成、会社の経理、申告等お困りごとはお気軽に斎賀会計事務所へご相談ください。

2023年始動! 税額計算の新方式『インボイス制度』で何が変わる?  2019-07-24   

2016年11月末に成立した税制改正関連法により、

2023年10月に『インボイス制度(適格請求書等保存方式)』が実施されます。

これは、課税事業者が発行する請求書や納品書に記載された税額のみを

控除することができる“仕入税額控除”方式のことです。

今回は、この概要をご説明します。


インボイス制度導入の目的やメリットとは?

 消費税10%引き上げまで、いよいよ2カ月あまりとなりました。

 同時に飲食料品等は軽減税率(8%)が適用され、複数税率になります。

 これに対応するため、4年の経過措置を経て2023年10月から導入が

予定されているのが『インボイス制度(適格請求書等保存方式)』で、

概要は下記の通りです。

(1)消費税の課税事業者は事前に税務署に申請し
『適格請求書発行事業者』の登録を受ける。

(2)登録を受けた事業者は、自ら発行する請求書に

『登録番号』『税抜価格または税込価格を税率ごとに合計した対価の額及び適用税率』

『消費税額等』を記載し、その副本を保存する義務を負う。

(3)(2)のインボイスを受け取った事業者は、

消費税の納税額を計算する際にインボイスに記載された

消費税額を仕入税額控除することができる。

 つまりこの制度では、免税事業者や登録を受けていない事業者が

発行する“適格ではない”請求書では、消費税の仕入税額控除が受けられなくなります。

 軽減税率制度では商品によって税率が異なるため、仕入税額控除額を計算する際、

インボイスで商品ごとの適用税率や税額の記載を行えば、

記載ミスが防げると考えられています。

 また、益税(消費者が支払った消費税の一部が納税されず業者の利益となること)

の問題解消の効果も見込まれており、最低でも千数百億円の益税が解消されるという試算も出ています。


制度導入を前に注意しておくべきこととは?


 インボイスを発行できるのは、登録を受けた課税事業者だけです。

また、免税事業者には経過措置が設けられていますが、段階的に控除額が減少していき、

2029年10月1日には仕入税額控除は一切認められなくなります。

安易に取引の継続を決めてしまうと、税負担が増えるばかりか、

そのことが取引継続のネックとなる事態も考えられます。

 また、免税事業者の場合、仕入れにかかる消費税額については、

免税事業者が持ち出しすることになります。

免税事業者にとっては厳しい制度であり、

導入後は500万超もの免税事業者が廃業に追い込まれる可能性も示唆されています。

 免税事業者や適格請求書発行事業者登録をしていない事業者は

取引から除外される可能性があります。

そのため、課税事業者は先述の通り『適格請求書発行事業者』の登録を行い、

また、免税事業者は『消費税課税事業者選択届出書』を提出し、

課税事業者になったうえで同登録をするかどうか検討・対応することとなります。

 2023年の導入に向けて、自社に適した対応を調べておきましょう。


※ 消費税額引き上げに伴う経理処理でお困りの場合は、お気軽に斎賀会計事務所へご相談ください。

高額な役員退職金の分割支給は可能!?    2019-07-17 

役員として長く活躍した人が退職する際は、

役員退職金が支給されます。

しかしその金額は、何千万円単位のものになりがちで,

会社の資金繰りが苦しいときは経営を圧迫しかねません。

もし一度に支払うことがむずかしい場合は、

複数年度に分けて支払うことも可能です。

今回は、高額な役員退職金の分割支給や要件、会計処理の仕方についてお伝えします。


役員退職金を分割払いにするには?


役員退職金は、株主総会にて支給を決定します。

金額は、『最終役員報酬月収×役員在任年数×功績倍率

(代表取締役:3倍、取締役:2倍が目安)』で計算されるのが一般的ですが、

法的な縛りはないため、同業種同規模の会社の支給状況や、

法人業務従事期間、事情などを勘案して、比較的自由に金額を決めることができます。

原則として、株主総会の決議などによって退職金の額が具体的に

確定した日の属する事業年度または実際に支給した日の属する事業年度に損金算入します。

退職金が高額な場合、一定の要件を満たすことで分割支給もできます。 

分割支給する際は、下記の要件を満たしている必要があります。 

(1)株主総会等で分割支給が決議され、かつ議事録を作成していること 
(2)資金繰りが厳しいなど分割して支給する合理的な理由があること 
(3)分割する期間が長期間に渡らないこと 

(3)については、分割期間5年以上になると退職年金として

         取り扱われる可能性があるため、注意が必要です。


分割支給した場合の税務処理


前述の通り、株主総会等の決議により退職金が確定した日の属する

事業年度に全額損金計上が原則となります。

しかしながら、事業年度の途中で役員が病気などにより退職した場合は、

退職金の支給時期と税法上の損金算入時期とが一致しなくなるという事態が生じることになります。

このような不都合を回避するため、『実際に支給した日の属する事業年度』において

損金として処理することも認めています。 

つまり、分割支給した場合の会計処理は、

『実際に支給した日の属する事業年度ごとに損金算入する方法』と、

『確定した日の属する事業年度に全額を費用計上し、未払い分を未払計上する方法』の

どちらかを選択することが可能です。 

退職金を分割支給した場合の各事業年度における納税額は、

所得税基本通達により退職金総額を基に源泉徴収すべき税額を計算し、

その税額を各回の支給金額を按分して計算すること、と定められています。 

また、退職金を受け取る役員の税務については、

退職金は役員の『退職所得』となり、所得税・住民税の課税が問題になります。

退職所得は、他の所得とは区分して課税される『分離課税』の適用を受けることになっていて、

原則として適正税額が源泉徴収されることになっています。 

具体的な納付額の算出方法は、

課税退職所得金額(退職金-退職所得控除額×1/2)を算出し、

これに所得税の税率を掛けて、

控除額を差し引いた残りの金額である『所得税額(基準所得税額)』と、

この基準所得税額に2.1%を掛けて計算した『復興特別所得税額』を合計した金額が

所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額となります。

住民税は原則として課税退職所得金額×(都道府県税率4%+市区町村税率6%)にて算出されます。 

ただし、役員等勤続年数が5年以下である人が支払を受ける退職金のうち、

その役員等勤続年数に対応する退職金として支払を受けるものについては、

退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が

課税退職所得金額となりますので、注意が必要です。 

長年会社に貢献してくれた役員へは適正な額の退職金を支払わなければなりませんが、

無理な支給による経営の悪化も避けたいところです。 

退職金の分割支給を検討する際は、

要件や処理についての検討・配慮を怠らないよう心がけましょう。 

 

*退職金額の算出、税金の計算などのご相談はお気軽に斎賀会計事務所へ/ご相談ください。

定年制度見直しで人材不足解消!その留意点とは? 2019-07-08 

今、人材不足はどの業界でも問題となっています。

65歳を超えて働き続ける環境をつくるために考えられるのは、

(1)定年制の廃止、(2)定年の引き上げ、(3)継続雇用制度のいずれかです。

なお、制度に反発する従業員も出てくる可能性がありますので、

労使双方にメリットのある適切な制度づくりをすることが大切です。


高齢化率がますます高まる日本の雇用状況


 厚生労働省公表の『平成29年版厚生労働白書』によると、

日本の総人口は2065年には9,000万人を割り込み、

生産年齢人口(15~64歳)は約50%近くまで減少すると推察されています。

一方、65歳以上の高齢化率は40%近くになると見込まれており、

人手不足解消のためには、いかにこの年齢層を取り込めるかが

ポイントとなってきます。

 一方、厚生労働省公表の

『平成30年「高年齢者の雇用状況」集計結果』によると、

全体の4分の1超の企業が65歳を超えた高齢者の雇用制度を導入しています。

その内訳は、

(1)定年制廃止が2.6%、

(2)定年の引き上げが2.0%、

(3)継続雇用制度の導入が23.0%

となっています。


定年制度を見直す際に気をつけたいポイント


 (1)の定年制の廃止を導入する場合、

雇用形形態労働条件が変更できないことから人件費が増す

おそれがあります。

労働者の健康状態や体力面の負荷などに配慮して、

労働時間数や業務内容を見直す必要も出てくるでしょう。

また、いくつになっても働き続けられるため、

もし辞めてもらいたくなった場合、労働者側から退職を願い出ない限り、

企業側からは解雇するしか方法がなくなります。

労働契約法16条にある通り、違法な解雇は無効となるため注意が必要です。

 (2)の定年の引き上げを選択した場合も、

(1)と同様に人件費の増大は免れませんが、

一定の年齢に達すれば雇用契約は終了するので

(1)ほど負担はかかりません。

ただし、本人の意欲に関係なく定年で退職となるため、

意欲や能力のある人材を手放すことにつながります。

 (3)の継続雇用制度は、“再雇用制度”と“勤務延長制度”に分かれます。

雇用関係中断の有無がポイントで、

いずれも対象者の選定基準や雇用形態、

雇用期間などを自由に決定できます。

ただし、賃金減額などの条件変更が行われることが多く、

労働者のモチベーションが低下し、

人材流出につながるおそれがあります。

 いずれにしても、退職金制度や社会保険制度を

同時に見直すことを忘れないでください。

労働者が納得して働いてくれる環境を整えることも会社の務めです。 


*退職金制度の見直しや再雇用制度に関するご相談はお気軽に

 斎賀会計事務所へ/ご相談ください。

人材確保のカギを握る!?“多様な正社員”制度導入のすすめ   2019-06-26 

働き方改革が進められるなか、雇用方法が多様な正社員が注目を集めています。

労働者のワークライフバランスの充実が保てる雇用方法といわれていますが、

企業側としては、導入することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。


”多様な正社員”は三つの区分に分けられる

 “多様な正社員”とは、異動や転勤、仕事の内容や勤務時間などの

範囲が限定される正社員のことを指します。

“限定正社員”とも呼ばれ、働き方改革を進めるための一案として

にわかに注目され始めました。

契約社員やパートなどの要素を取り入れた正社員といえばイメージしやすいでしょう。
 
 多様な正社員は、

①勤務地限定正社

②職務限定正社員

③勤務時間限定正社員の三つに分けられます。

①は、地域に根差した会社の営業職や、限定された店舗で働く販売職に対して有用性が発揮されます。

②は、担当する職務内容などがほかの業務とはっきり区別・限定される

職務をこなす労働者に合う雇用区分です。資格を必要とするような高度専門職での導入に適しています。

③は「所定労働時間では働きづらい」など、労働者の時間的な問題を解決することができます。

残業の免除などが、育児や介護で長時間勤務がむずかしい労働者の助けになるでしょう。


制度導入で得られる企業側のメリットとは?


 では、企業がこの制度を導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 たとえば、地域密着型の企業にとっては、周辺地域の情報収集は欠かせないものでしょう。

そこで、地元で就業を希望する人材を

①の『勤務地限定正社員』として採用すれば、地域のニーズに合ったサービスを開発しやすくなり、

これにかかるコストを減らすことができます。

また、顧客の確保にもつながるといったメリットも考えられます。

②の『職務限定正社員』の場合は、“部署間の異動がなくなることで、

その道のエキスパートを育てられる”というメリットが考えられます。

このほか、時間をかけて育てた社員が育児や介護を理由に退職してしまうといった問題も、

③の『勤務時間限定正社員』として雇用すれば解決します。

従業員の希望に沿う働き方を叶えることは、定着率アップにつながります。

働き方の多様性を打ち出すことで、

その魅力に興味を持った人材が集まってくることも考えられます。
 
 2012年に厚生労働省が公表した『「多様な形態による正社員」に関する

研究会報告書』のアンケートによると、約5割の企業が

“多様な正社員”の雇用区分を導入していることがわかっています。

賃金などの待遇面や評価制度などについて検討する必要はありますが、

人材不足解消のため、一度導入を考えてみてはいかがでしょうか。

 なお、非正規雇用者を多様な正社員等に転換するなど、

一定の条件を満たすことで受けられる『キャリアアップ助成金』などもあります。

導入の際に活用を検討してみてもよいでしょう。


*キャリアアップ助成金、給料体系など お困りの場合はお気軽に

 斎賀会計事務所へ/ご相談ください。

申告税額を間違えたときの対処法 2019-06-19  

個人事業主として確定申告をして納税額のお知らせが届いた際に、

税金が高すぎると感じたことはありませんか? 

過大な税額で申告を行い、申告期限後にそのことに気づいた場合、

申告書に記載された税額の減額を求める

『更正の請求』でリカバリーすることができます。

今回は、納めた税金が戻ってくるかもしれない、

この手続きについてご紹介します。


申告税額を払い過ぎたときは更正の請求ができる


『更正の請求』は、申告期限後、申告書に記載された税額の減額を求める手続きです。 

税額の減額申請ができるケースは、

次の(1)~(3)のいずれかに該当する場合となります。 

(1)申告書に記載された税額が過大だった 
(2)申告書に記載した還付税額が過少だった
(3)申告書に記載した純損失した雑損失の中で、

   翌年以後の年分に繰越控除し、もしくは前年分の計算の基礎とできる金額が過少だった 

たとえば、申告額を多く書きすぎてしまったのであれば、

(1)の申告書に記載された税額が過大だった場合に該当するため、更正の請求ができます。 

更正の請求は、2011年12月1日までは1年前までしか遡れませんでしたが、

2011年の税制改正によって、平成23年分(2011年分)の申告からは、

法定申告期限から5年以内まで遡れるようになりました。


2011年12月1日以前に申告期限を迎えたものも、

減額更正できる期間に更正申告書を提出すれば、

調査を経て減額更正を行う経過措置があります。 

国税庁の更生申告書に必要事項を記入し、

請求の理由の基礎となる事実を記載した書類と合わせて提出します。

提出先は請求者の住まいや会社がある地域を管轄している国税局で、

提出方法は管轄の国税局への直接提出か郵送、または電子申告から選択することができます。 

ちなみに、確定申告を行った後、納めた税額が少ないことに気がついた際も、修正申告を行います。

このとき、過少申告加算税がかかるケースもあります。 


請求前に確定した税額の徴収は、原則として猶予されない


更正の請求を行うと、税務署はその請求にかかる税額の内容などを検討して、

減額更正をするか、もしくは更正すべき理由がない旨を請求者に通知します。

請求を行ったからといって、必ずしも減額更正が認められるわけではありません。 

ここで、特に注意しなければいけない点があります。
更正の請求を行っても、その請求前に確定した税額の

納付義務は課せられたままの状態で、

徴収は原則として猶予されません。

「更正の請求が認められるはず」と思い込んで確定した税額を納めないと、

滞納処分を受ける可能性があるので、注意が必要です。

また、税務署から確認の電話が入ることもあり、

その場合はほとんどのケースで追加の資料を求められます。

変動所得・臨時所得の平均課税の計算書や、

申出書の申出額を計算するに当たり使用した計算明細書等を提出し、

税務署に確認してもらいます。 

このとき、資料の信憑性に疑いがあったり、

見解の相違がある部分について請求したりすると、

税務調査に発展する可能性があるので、注意しましょう。 

なお、検討の結果“更正の理由なし”との処分が下された場合、

不服があれば、国税不服審判所への審査請求等が行えます。   

更正の請求は、納税者に与えられた大切な権利の一つです。

申告税額を払い過ぎたときには、すぐに更正の請求を行いましょう。 


※本記事の記載内容は、2019年5月現在の法令・情報等に基づいています。

*法人・個人の所得税や消費税等の申告内容に確認等のご依頼があれば、斎賀会計事務所へお気軽にご連絡ください。

 また、今後の申告についてのご相談ください。


割増賃金額446億円超!未払い残業代請求で倒産の危機も 2019-06-13  

昨今は企業の労働環境の改善意識が高まる一方、労働者の権利意識も

向上しており、労使間協議の件数も年々増加傾向にあります。

今回は、そのなかでも特に会社存続にかかわる問題として注目を

集めている“残業代の未払い問題”について考えてみましょう。


未払い残業代により企業が負う甚大なリスク

厚生労働省が発表した『監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成29年度)』

によると、労働基準法違反にかかる是正指導で100万円以上の割増賃金を

支払った企業は1,870社(前年度比521社増)で、そのうち262社は支払金額が

1,000万円以上でした。


支払われた割増賃金の合計額は、446億4,195万円

(前年度比319億1,868万円増)。この莫大な金額の原因は、

宅配便最大手のヤマトホールディングスで発覚した200億円超の未払い残業代とされています。

 未払い残業代に関する労使間協議が発生した場合、会社が抱えるリスクは甚大です。

労働基準監督署への対応、遅延損害金・付加金の発生、同種訴訟の頻発など、

その時間的・金銭的コストは計り知れません。

最悪の場合、会社倒産にまで発展してしまいます。


状況を把握し、雇用契約と賃金体系の見直しを


トラブルを防ぐには、まず従業員の労働状況を把握する必要があります。

残業代を請求される会社は、就業規則や雇用契約があいまいだったり、

36協定を締結していなかったりと、会社の義務が果たせていないことがあります。

また、“管理職は残業代が不要”、“年俸制だから残業代は不要”などの間違った知識から

結果的に未払い残業代が発生しているケースもあるため、

正しい知識をつけることも大切です。

 残業代を減らすためには賃金体系の見直しも有効です。

変形労働時間制、専門業務型裁量労働制、事業場外みなし労働時間制など、

自社の働き方に合った制度を検討してみるのもよいでしょう。 

 なお、万が一未払い残業代を請求されたら、

従業員の話を真摯に聞いて対応することが解決の近道です。


*36協定や就業規則のこと、その他社内の経理処理などでお困りごとがあれば

お気軽に斎賀会計事務所へご連絡ください。


 SuicaやPASMOのチャージ代の取り扱い、経費計上するには? 2019-06-01 

近年、急速に広まった『Suica』や『PASMO』などの電子マネー。

当初は交通費がメインでしたが、今では店舗での支払いなどにも

日常的に使われるようになりました。

この電子マネーを経費として利用するのは、

税務上の扱いとして適切なのでしょうか?


チャージだけでは経費扱いにはできない

 経費とは事業を行うために使用した費用のことで、

計上することで利益が少なくなり、納付する税金を

減らすことができます。

だからといってすべてを経費として算入していると、

金額が大きくなり、税務調査が入って経費でないものを計上していないか

調べられることもあるので、注意が必要です。
 

 近年では、『Suica』や『PASMO』のチャージ代を確定申告時に経費扱いしている

事業者が多くなりました。

  しかし、実はチャージをしただけでは経費として認められません。

チャージは電子マネーを“買う”という認識ではなく、

お金と電子マネーを交換したと考えられるからです。

ただし、経費にならないのはあくまでもチャージをした時点でのことです。

 では、一体どのタイミングで経費として認められるようになるのでしょうか。


方式によって変わる電子マネーの取り扱い

 電子マネーには2種類あります。

  一つはプリペイド(前払い)型、もう一つはポストペイ(後払い)型です。

  電子マネーのなかでも特に多く用いられているのが、

『Suica』や『PASMO』などの、プリペイド型のICカードです。

  このタイプの場合、現金をチャージしただけでは経費に計上できません。

  チャージした金額のうち、事業のために使用した金額だけが経費となります。

  ここでのポイントは、チャージをしたときは『仮払金』で処理するということです。

  電車賃なら旅費交通費、必要な資料として書籍を購入したなら新聞図書費

という具合に、実際に使ったときに初めてその用途に合わせた経費となるのです。

  では、ポストペイ型のICカードではどうでしょうか。

  『QUICPay(クイックペイ)』などに代表されるポストペイ型電子マネーは、

チャージの必要がありません。

事業性のある商品やサービスを購入した時点で

『未払金』の処理を行います。

その後、預金口座で決済されたら支払い処理をしましょう。

  電子マネーの税務処理には、利用履歴を印字する

など明細を取得する必要があります。

きちんと処理をするためだけではなく、

税務調査を受けたときの資料としても役立つからです。

  近年の税務調査では、電子マネーのチャージ代は

要注意ポイントとなっています。

 最悪の場合は重加算税を課される場合もありますので、

電子マネーの経費の取り扱いには注意を払いましょう


 *普段に経理処理などでお困り事がある、これから会社の経理をどうやって良いか相談してほしいなど

 お気軽に斎賀会計事務所へご連絡ください。


 仕事と介護が両立できる職場環境整備で、最大216万円を助成!  2019-05-22 

内閣府が発表している『平成30年版高齢社会白書』によると、

全人口に対する65歳以上の人口割合が、2025年には約30%、

2060年には約40%になると推計されています。

つまり、介護に直面する労働者が、今後より一層増えることが

想定されます。 

労働人口が減っていくなか、企業の事業継続・発展には、

労働者が働き続けられる環境を整備することが必要不可欠です。 

そこで今回は、仕事と介護が両立できる職場環境の整備と

制度利用に対する助成金をご紹介します。


『両立支援等助成金 介護離職防止支援コース』


仕事と介護の両立のための職場環境整備に関する取り組みを行うとともに、

介護休業や、介護のための勤務制限制度の円滑な利用のための取り組みを

行った事業主に対して助成するものです。 


【対象となる事業主(抜粋)】

次のすべての要件に該当することが必要です。 

(1)「労働者の仕事と介護の両立に関する実態把握」のため、

          アンケート調査を行うこと。 

(2)自社の介護休業制度について見直しを行い、

        育児・介護休業法に沿った制度を導入していること。 

(3)「介護に直面する前の労働者への支援」のため、

        次の(ア)、(イ)のいずれも実施していること。 
  (ア)人事労務担当者等による社内研修の実施 
  (イ)仕事と介護の両立支援制度等の周知 

(4)仕事と介護の両立に関する相談窓口を設置し、

         全労働者に周知していること。 

(5)介護休業の取得及び職場復帰並びに介護休業関係制度の利用について

        介護支援プランにより支援する措置を実施する旨をあらかじめ規定し、

        労働者へ周知していること。 


【対象となる労働者(抜粋)】 
以下に該当する労働者が対象となります。 


・介護休業 

(1)介護休業を同一の対象家族について、

        連続2週間以上または合計14日以上取得し、職場復帰した雇用保険被保険者であり、

        当該介護休業開始日の1カ月以上前から雇用保険被保険者として雇用している。 


(2)対象家族の要介護の事実について把握後、介護休業の開始日の前日までに、

        対象介護休業取得者の上司または人事労務担当者と対象介護休業取得者が

        少なくとも1回以上面談を実施したうえで、結果について記録し、

        対象介護休業取得者のための介護支援プランを作成している。 

(3)作成した介護支援プランに基づき、対象介護休業取得者の

        介護休業の開始日の前日までに業務の引き継ぎを実施している。 

(4)対象介護休業取得者を、介護休業終了後、上記(2)の面談結果を踏まえ、

        原則として原職等に復帰している。 

(5)対象介護休業取得者の介護休業終了後に、上司または人事労務担当者と

        対象介護休業取得者がフォロー面談を実施し、その結果を記録している。 

(6)対象介護休業取得者を、介護休業終了後、引き続き雇用保険の被保険者

       として1カ月以上雇用しており、さらに支給申請日において雇用している。 


・介護制度 

(1)次の介護制度を同一の対象家族について連続6週間以上

        または合計42日以上取得した雇用保険被保険者であって、

        当該介護制度利用開始日の3カ月以上前から申請事業主の

        雇用保険被保険者として雇用され、申請に係る介護制度利用開始日の前日以前3カ月間において、

        申請に係る介護制度を利用していない。 
 

   ・所定外労働の制限制度 
 ・時差出勤制度 
 ・深夜業の制限制度 
 ・短時間勤務制度 


(2)対象家族の要介護の事実について把握後、

        介護制度利用開始日の前日までに、対象介護制度利用者の上司または人事労務担当者と

        対象介護制度利用者が少なくとも1回以上面談を実施したうえで、結果について記録し、

        対象介護制度利用者のための介護支援プランを作成している。 

(3)作成した介護支援プランに基づき、対象介護制度利用者の介護制度利用開始日の前日までに

        当該介護制度利用期間中の業務体制の検討を実施している。 

(4)対象介護制度利用者の連続6週間または合計42日の介護制度利用期間後に、

       上司または人事労務担当者と対象介護制度利用者がフォロー面談を実施し、

       その結果を記録している。 

(5)対象介護制度利用者を、連続6週間または合計42日の介護制度利用期間後、

        引き続き雇用保険の被保険者として1カ月以上雇用しており、さらに支給申請日において雇用している。 


【助成金の支給額】 

1企業当たり2人まで(無期労働者1人、有期労働者1人)、以下の額を支給。

 生産性要件を満たした場合は( )内の額を支給。

 
・介護休業 
 38万円(48万円)/人 
 中小企業は、57万円(72万円)/人 

・介護制度 
 19万円(24万円)/人 
 中小企業は、28.5万円(36万円)/人 

本助成金への取り組みにより、仕事と介護が両立できる仕組みを整えることができれば、

従業員の安心、働きやすさがアップし、従業員の定着によるコスト削減、

生産性の向上にもつながります。 

どの企業もいずれは取り組まなければならないことですし、

今後、家族の介護が必要となりそうな年代の従業員がいるならなおさら、

この機会に活用を検討したい助成金制度です。 

なお本助成金には、ほかにも支給条件が細かく決定されていますので、

詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。 

出典:厚生労働省ホームページ 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html 


*介護休業・介護制度の取り組み、社内の経理、総務処理でお困りのことはお気軽に

 斎賀会計事務所へご相談ください。


 “週休2日”と“完全週休2日”、違いをご存知ですか? 2019-05-15 

ワークライフバランスの意識が高まるなか、

日は従業員にとって大きな関心事です。 

従業員に充実した毎日を送ってもらうために

も、経営者は労働基準法に定められた休日に

ついてよく知る必要があります。

あいまいな知識のまま労働条件を設定し、

休日を与えていては、従業員から不満を買う

恐れがあるからです。 

今回は、入社時によくトラブルになる“週休2日”と“完全週休2日”の違いと、

休日の取得パターンの注意点について、ご説明します。


必ず休日が2日間取得できる、完全週休2日制


休日の取得パターンには、“完全週休2日制”と“週休2日制”があります。

実は、この二つの休日の取得形態には大きな違いがあるのです。

完全週休2日制の場合、従業員は1年間を通じて毎週2日間、

休日を取得することができます。

1年のうち、休日が1日しかない週が1回でもあれば、

それは完全週休2日制とはいえません。

毎週、必ず休日を2日間取得できるのが特徴です。


従業員にとっての完全週休2日制のメリットは、

安定的に休日が取れる点です。

ワークライフバランスを重視する従業員が多いのであれば、

このパターンで休日を取得してもらうのもよいでしょう。

しかし、必ずしも一般的に休日のイメージが強い

土・日に取得してもらう必要はありません。

つまり、土・日ではなく水・日、または木・金という形で

従業員に休日を与えることもできます。

さらに、休日の曜日を固定する必要もありません。

シフト制を導入している会社は、

完全週休2日制のほうが人員を確保しやすいというメリットがあります。

ただし、なかには「土日は家族とゆっくり過ごしたい」

という考えの従業員もいます。

会社の都合ばかりを優先せず、

従業員個々の希望に合わせて、

慎重に休日の取得パターンを考える必要があります。


最低月1回は週2日休める週休2日制

一方、週休2日制とは、

従業員の休日が2日ある週が毎月最低1回はある形態をいいます。

つまり、『最初の1週間に休日が2日あれば、

残りの3週間の休日が1日ずつだったとしても、

週休2日制になる』ということです。

入社してから求人票には『週休2日制』と記載されていたから、

週に2回は必ず休日がある、

と誤解する人もたくさんいますので、ご注意ください。

なお、休日の曜日を固定する必要がないのは、完全週休2日制と同じです。

こうした特徴から、週休2日制はいろいろな

休日の取得パターンを考えることができます。

たとえば、会社の業務が忙しい時期には週休1日にして、

それ以外の時期は週休2日にすることも可能です。

週末が忙しい飲食店の場合、“火曜日が定休日で、

第3週のみ木曜日も休み”というパターンも考えられます。

このように、週休2日制には

職種に応じて柔軟に休日の取得パターンを設定できるという特徴があります。

ただし、必ず週2日の休日を取得できるわけではないため、

従業員の疲労や不満が溜まることもあります。

そのため、週休2日制の場合は、

休日の取得パターンの設定に注意しなければいけません。

「今月は忙しいから週休2日の週は1回、

あとは全部週休1日にしよう」などと、

安易に決めるのはトラブルの元になります。

従業員の希望や仕事に対する考えを考慮し、決めるようにしましょう。


会社によって異なる最適な取得パターン

労働基準法では『週1日の休日があるか、

4週間を通じて休日が4日あればよい』とされています。

しかし、これを額面通りとらえて従業員を酷使すると、

予期せぬ労働トラブルが起きてしまうかもしれません。

そうならないためにも、会社の視点だけでなく

従業員の視点にも立ち、休日の取得パターンを設定しましょう。

働き方の多様化により、近頃は週休3日制を導入する会社もあります。

もちろん、週休3日制にもメリットとデメリットがあります。

メリットとしては、休日が増えるため、

プライベートの時間が充実すること、

通勤する日数が少なくなるため、

通勤時間のストレスを減らせることなどがあげられます。

一方、デメリットとしては、従業員の収入が減るもしくは

1日あたりの労働時間が増えること、

従業員同士のコミュニケーションが不足することなどの可能性があります。

週休3日制を導入する際は、

従業員のニーズと会社の経営効率のバランスを考えたうえで、

検討するとよいでしょう。

このように、休日といっても、

会社によっていろいろな取得パターンが考えられます。

前述のように、“完全週休2日制”と“週休2日制”は、

言葉は似ていても意味はまったく異なります。

それぞれのメリットとデメリットを踏まえて、

自社にとってどういう取得パターンがベストなのか、

また視点を変えて“週休3日制”の導入なども

併せて検討してみてはいかがでしょうか。

*社員の休日の設定について悩まれている経営者の皆さん、2019年6月4日の

 労働基準法改正セミナーへ是非 ご参加ください。

   詳しくは、セミナーお問い合わせへ

 「制服」「事務用品」会社はどこまで経費を負担するべき?  2019-05-10

制服着用が定められている職場で、

従業員が制服代を負担しているケースは

少なくありません。

 また、事務用品代、コピー代、

ノートパソコン代などの備品代を負担して

いるケースもあるでしょう。 

制服や備品は、従業員が仕事で使うために

必要なものです。 こうした費用は会社が負担するのか、

それとも従業員が自腹で出すべきなのか。 

労働基準法ではどのように規定されているのでしょうか。

今回は、仕事で発生する経費の負担義務の範囲について解説します。


経費の負担範囲は会社が決めることができる 

制服代や事務用品代、コピー代といった経費の負担は会社ごとの判断に委ねられており、

労働基準法では明確に規定されていません。

どこまでを従業員が負担し、どこまでを会社が負担するかは、会社の判断次第なのです。 

たとえば、「仕事で使用するノートパソコンの費用を従業員が負担する」と

決めることもできます。

制服代も同様で、従業員に代金を負担してもらうことも可能です。 

ただし、こうした経費の負担の範囲を決めるのであれば、

就業規則にその内容を記載しておく必要があります。 

就業規則を作成する際には最低限記載しなければならない

「絶対的必要記載事項」と、記載する義務はないが、

そのことに関してルールを決めた場合は記載しなければならない

「相対的必要記載事項」というものがあります。

作業用品などの費用負担は「相対的必要記載事項」に該当しますので、

従業員に負担させる場合は就業規則への記載が必要になります。 

就業規則に経費の負担範囲が記載されていないにもかかわらず、

従業員に負担させることはできません。 

また、給料から経費の負担分を天引きすることはできません。 

会社が従業員代表者との協定を結ばずに給料から天引きできるものとして、

法律で定められているのは、次の三つです。 

・所得税や住民税といった税金 
・社会保険料 
・雇用保険料 

就業規則に記載がない以上、上記以外の経費を給料から天引きすることは禁じられています。 

つまり、経費の負担範囲は会社が判断しますが、その内容をきちんと

従業員に伝えておかなければならないのです。 

会社と従業員の双方で認識を共有したうえで、

初めて『事務用品代は従業員負担』などと

決めることができます。 

従業員に過度な負担をかけるとやる気の低下に 

経費の負担範囲は会社の判断で決められますが、

実際は会社がある程度負担しているケースが多いでしょう。 

「何もかも従業員が負担する」ということでは、労働意欲の低下や、

会社への信頼感の喪失につながりかねません。 

会社によっては「出張費も従業員負担」としている場合もあるようですが、

これはよいとはいえません。 

事務用品なら少ない金額の負担で済みますが、

出張費となると従業員の金銭的な負担が大きくなります。 

そのような高額な経費を負担させ続けていると、

従業員のモチベーションを低下させてしまいます。

また、労働力の酷使とみなされてしまうかもしれません。 

仕事に必要なものは、会社で負担するべき? 

では、経費の負担範囲はどのラインに設定するべきでしょうか。

これは会社の業種によっても異なります。 

たとえば、仕事上パソコンが必須であるIT企業ではノートパソコンを、

制服がある飲食店では制服代やクリーニング代を会社が負担するケースが多くあります。 

このように、仕事内容から“絶対に必要なもの”は、

会社が負担するべきかもしれません。 

会社の貴重な財産である“人財”からの信頼を失わないためにも、

必要な経費は惜しまないようにしましょう。

人手不足の折、従業員の退職につながると、大きな損失になります。 

その結果、一時的に会社側が損をしたとしても、

長い目で見れば会社にとってプラスとなるはずです。 

以上のことを踏まえて、会社と従業員、

どちらが経費を負担するべきなのか、

就業規則に定めてみてはいかがでしょうか。


*福利厚生などについてより詳しくご相談、お困りの場合はお気軽に斎賀会計事務所へ

 ご連絡ください。

 イベントなどで納めた協賛金の税務上の扱いとは? 2019-04-26

   お祭りや地域のイベントに出かけると、

必ずと言っていいほど企業名が記された

提灯や看板などを見かけます。

記載されているのは、そのイベントに協賛した企業の

名前で、そのほとんどは協賛金を納めています。

この協賛金は、税務上どのように取り扱えば

よいのでしょうか?


協賛とはイベントの趣旨に賛同し協力することで、

そのイベントの成功をサポートする、

いわゆる『スポンサー』を意味しています。

その一端として支払うのが協賛金です。

実は、協賛金が何のために支払われたかによって税務上の扱いが変わります。


支出実態によって変わる協賛金の取り扱い方
 
 税務上の扱いを分けるポイントは、以下の三つです。

(1)不特定多数の人に対して、企業の宣伝を目的として支出した場合
(2)宣伝効果は期待しないが、協賛金を募っている


事業者に対して、あくまでもお付き合いとして支出した場合
(3)地域社会と良好な関係を維持するために支出した場合
 

(1)~(3)のどの目的で計上するかで消費税の扱いも変わりますので、注意が必要です。


支払う目的に合わせて正しい計算を

 (1)で考えられるのは、イベントで使用するうちわや

はっぴなどに企業名を入れてもらうなど、来場者に対して

企業のPR活動をする場合です。

このとき協賛金は“広告宣伝費”とされ、消費税は課税仕入れとなります。

広告宣伝費は全額損金として計上できるので、企業にとっては一番ありがたい扱いです。


 (2)の場合は“交際費”として処理をします。

取引先の企業がイベントなどに出店しており、

やむなく協賛金を支払うといったパターンが該当します。

消費税は目的によって取り扱いが分かれます。

事業の円滑性といった対価を求める場合には“課税仕入れ”となり、

対価を求めていない場合には“不課税仕入れ”となります。

  ちなみに、交際費のすべてを損金として扱えるとは限りません。

期末資本金の額が1億円以下である法人などの一定の要件を満たす中小企業の場合、

年800万円まで損金の額に算入できます。


 (3)の場合は“寄付金”として扱われます。

今回のケースでは「一般寄付金」として取り扱われ

損金として認められる額は、
“({ 期末資本金等の額×当期の月数/12×2.5/1,000)
        +(所得の金額×2.5/100)}×1/4”
の数式で求められる金額が限度です。

消費税も“不課税仕入れ”とされます。


 また、金銭ではなく物品を購入して渡した場合、

その物品の購入代金は“課税仕入れ”となります。

しかし、商品券などを購入して贈答した場合は“不課税仕入れ”となり、

消費税の取り扱いが変わってきます。

 協賛金を支払ったときは実態に合わせて処理をすることが大切です。

協賛金は、細かくパターン分けされているため、扱いがややこしい面があります。

追徴課税が発生することのないように気をつけましょう。


*日々の経理処理から気をつけることが会社の経営の基盤になります。

 斎賀会計事務所では巡回監査を通し丁寧に指導させていただきます。お困りごとは

 お気軽にご相談ください。


ここだけは必ず押さえて!雇用契約書を作成する際のポイント  2019-04-17 

   雇用契約書を作成する最大の理由は、

労務トラブルを防ぐことです。

また、労働条件は書面で明らかにする必要が

り、雇用契約書としてそれを提示するので

あれば、必ず入れるべき項目が存在します。

これを満たしてもトラブルに発展するなら、

労働実態にそぐわない項目があることなどが

考えられます。

契約書作成の前にポイントをおさえて

おきましょう。


必ず入れておくべき! 絶対的明示事項


 雇用契約書に記載する項目には、法律上の規定はありません。

ただ、労働基準法15条1項にあるように、

会社が労働者と締結する際に明示しておかなければならない労働条件があります。

これらは書面での明示が義務づけられているので(昇給を除く)、

雇用契約書として明示するのが一般的です。
 
<絶対的明示事項>


●労働契約の期間、就業場所、業務内容について
●就業時間、就業形態、休憩時間、残業、休日など
●賃金、昇給など  
●退職(解雇)など


 これらの記載がない場合、トラブルが起きたときは

労働基準法に則って処理することになります。


 また、就業規則などで独自の規定がある場合に限り

明示が必要な“相対的明示事項”もあります。

こちらは書面での明示は必要ありませんが、

トラブルを防ぐために書面化しておいたほうが安心です。


契約書は雇用形態によって変える

 では、正社員とパート・アルバイトはすべて同じ契約書でよいのでしょうか? 

 雇用形態にかかわらず同じ契約書を作成している場合、

業務実態に沿った契約が結ばれていないケースがよく見られます。

 まず、正社員との間で最もトラブルになりやすいのが、

転勤の可能性や社内間での人事異動についてです。

転勤や職務の変更の可能性がある場合は、そのことについても

雇用契約書で触れておきましょう。


 契約社員の場合は、


(1)所定労働時間について
(2)無期転換ルールについて
(3)雇用期間が定められている

ことを理由に不合理な労働条件となっていないかがポイントです。

1)については“1日8時間以内かつ週40時間以内”とされていますが、

特例が適用されることもあるので確認しましょう。

 パート・アルバイトでは

(1)雇用期間が設けられているかどうか
(2)賃金について

の確認が必要です。

(2)に関しては、パートタイム労働法や最低賃金法に注意しましょう。

 また、就業中に発生した損害に対する賠償についても

後々の問題を避けるため、触れておくことをおすすめします。

会社の事業形態を考慮しながら、適切な雇用契約書を作成するように努めましょう。

 

*会社の経理・労務等などのお困りごとは斎賀会計事務所へお気軽にご相談ください。

新車? それとも中古車? 節税&経費削減できる社用車選びを学ぶ  2019-03-22 

  2019年10月に予定されている消費税率

10%への引き上げに合わせて、

自動車税制も改正されます。

  消費税増税後の自動車の売れ行きが

冷え込むのを防ぐためのもので、

さまざまな自動車関連の税金が

調整されることになり、

一部は増税開始前から改定されます。 

今回は、このタイミングで社用車の購入を

考えている企業に向けて、

新車で購入する場合はどの車種が最も税金が優遇されるのかを解説。

さらに、中古車で購入するケースも併せてご紹介します。


購入でエコ新車カー減税の恩恵を受ける車は?

 

今回の自動車税制改正の大きなポイントの一つに、

“エコカー減税の見直し・延長”があります。


エコカー減税とは、国土交通省が定める排出ガスと

燃費の基準値をクリアしている、

いわゆる“環境性能に優れた車の購入に際して適用される税金の優遇制度のことで、

新車購入時に支払わなければならない、

『自動車取得税』と『自動車重量税』、

登録の翌年以降にかかってくる『自動車税(環境配慮型税制)』の

3つについて優遇があります。


このエコカー減税が受けられるかどうかの分かれ道が、

『自動車燃費目標基準』です。

  自動車からのCO2排出量を減らすことが世界の命題となるなか、

各国は、自動車の燃費性能を改善させることが極めて重要な課題の

一つであると捉えています。

  これを受けて、日本では、『エネルギーの使用の合理化等に関する法律』、

通称『省エネ法』に基づいた燃費基準、

すなわち自動車燃費目標基準が設定されています。

  この基準の達成具合によって、

エコカー減税を受けられる割合も変わってきます。

エコカー減税の見直しにより、自動車取得税は2019年4月1日から、

自動車重量税は2019年5月1日から、この基準が、

新たな割合で計算されることになりました。


狙い目は、『基準+40%』を達成する車種!

 

エコカー減税の対象となる税金のうち『自動車重量税』について見てみましょう。

 

自動車重量税は、車検証の車両重量に記載された重量、

および所定の条件(燃費や排出ガスの区分や経過年数)により、

税額が定められています。

これまでは、自動車燃費目標基準を達成すると25%ほど税金が軽減され、

その基準をさらに10%上回って達成すると50%も税金が軽減されていました。


しかし、5月1日からは基準+10%の達成でも、

半分の25%しか軽減されなくなります。

 ほかにも、これまでは基準+20%(または30%)の達成で75%軽減だったのが、

50%の軽減になってしまいます。


しかし、基準+40%を達成する車種であれば、

これまでと変わらずに、自動車重量税が免除されます。

基準+40%を達成する車種は、

さらに自動車取得税も非課税となります。

では、基準+40%を達成し、税金的にお得になる車種とは、どんな車種なのでしょうか。


エコカー減税による全額の免税を受けることができるのは、

ハイブリッド車やコンパクトカーです。

具体的には

トヨタであれば『プリウス』『アクア』『ヴィッツ』『アルファード』

ホンダなら『アコード』『インサイト』

日産なら『ノートe-POWER』

マツダなら『デミオ』『アクセラ』

になります。

これらの車種は、燃費性能がよく運用コストが低いという点で共通しており、

税制の優遇というポイントを除いても、

社用車としてのメリットは大きいものがあります。

各メーカーのWebサイトで『エコカー減税対象車』として大々的にPRしているので、

購入の際の指針にするとよいでしょう。

なお、エコカー減税は、自動車取得税は2019年9月30日まで、

自動車重量税は2021年4月30日まで延長されることとなっています。



中古車購入なら、『4年落ち』がおすすめ!


次に、社用車として中古車の購入を考えている場合について、解説していきます。

自動車を購入する際は、新車であれ、中古車であれ、

買った代金を損金として計上することができます。

しかし、全額をすぐに購入した事業年度の

損金に計上できるわけではありません。

購入金額が20万円以上の資産は『固定資産』として計上し、

その事業年度の『減価償却費』として、

『法定耐用年数』に応じて計算した金額を限度として、

各事業年の損金に計上することになります。

『法定耐用年数』とは、その資産が、物理的・経済的に使用可能な

年数として国が定めた期間のことで、たとえば、いずれも新品の状態で、

テレビは5年、パソコンは4年、マネキン人形は2年など、

資産の種類ごとに定められています。

 

このうち自動車の法定耐用年数は6年

たとえば、新車で600万円の車を社用車として購入したとしたら、

購入から6年間の各事業年度の損金に計上できるわけです。

では、中古車の場合はどうなるでしょう。

中古車は買った時点で使用可能年数が経過しているため、

必然的に法定耐用年数が短くなります。

中古車の法定耐用年数は、次のような式で求めることができます。

新車の耐用年数 - 経過年数 経過年数 × 20%

たとえば4年落ちの中古車を買った場合は、下記のようになります。

(6年-4年)+4年×20%=2.8年

小数点以下は切り捨てるので、

4年落ちの中古車の法定耐用年数は2年ということになります。

このことをふまえて考えると、

4年落ちの中古車を400万円で購入すれば、

2年間で損金として計上できることになります。

しかも耐用年数が2年の場合は、

定率法(法人の法定償却方法)の償却率は1.0であるため

購入から1年間で1円の残存価額を控除した

金額の減価償却が可能となります。

つまり、上記の例の購入日が事業開始月だった場合、

減価償却費は12カ月分となるため、

約400万円が購入した年の事業年度に一括で損金計上できるわけです。

これは4年落ちに限ったことではなく、

4年以上経過した車であれば法定耐用年数は2年となるため、

減価償却費は同様となります。


自社の自動車使用状況も考えたうえで検討を

以上のことから、社用車を新車で購入する場合は、

エコカー減税の恩恵を最大限に受けられる

『基準+40%達成』している車種が、

最も税金的に“お得”な車種となります。

そして、中古車を購入する場合は4年以上経過している車が

早期に損金に計上できるメリットがあると言うことが出来ます。


もちろん、会社の状況や社用車の使用目的はそれぞれ異なりますので、

すべての企業にこれらの購入方法がおすすめできるわけではありません。

さらに現在はリースやシェアリングサービスも活発ですので、

会社によっては、社用車購入そのものの必要性についての議論も必要かもしれません。


社内の意見も幅広く聞き、どのようなスタイルが自社に合っているのかを考えてから、

社用車の導入を検討していくことが大切です。

会社の財務状態を検討し斎賀会計事務所では、より良いご提案をさせていただきます。

お気軽にご相談ください。

 その書類、いつまで保存?重要書類の保存期間と管理方法は?2019-03-05 

  会計や経理に関するもの、人事や労務に

関するものなど、保存しなければいけない

書類は日々増えていくばかり……。

一体いつ処分すればよいのでしょうか?

今回は、法律で定められている書類の

保存期間と、おすすめの管理方法を

ご紹介します。


主な書類の保存期間は?


会社で扱う書類には法律で保存期間が定められているものがあり、

主な書類の法定保存期間は、下記のように定められています。


(1)保存期間10年…決算書・総勘定元帳

 
(2)保存期間(事実上)10年…請求書、領収書、税務申告書、

   源泉徴収簿(賃金台帳)、通帳


(3)保存期間5年…従業員の身元保証書、健康診断個人票


(4)保存期間4年…雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)、

   離職証明書(事業主控)


(5)保存期間3年…労働者名簿、労働保険料申告書・タイムカード


(6)保存期間2年…健康保険の標準報酬決定通知書


 また、税務上の帳簿書類の保存期間は原則7年間です。

しかし、損失と現在の利益を相殺する際は帳簿が必要となり、

法定の保存期間より長く帳簿を保存しておく必要があることから、

欠損金(赤字)の繰越期間は次の通り延長され、

帳簿書類の保存期間が変更されています。


●2011年の税制改正…2008年4月1日以降に終了した事業年度に生じた欠損金について、

繰越期間が9年とされたことに伴い、帳簿書類の保存期間が9年に延長


●2015年度、2016年度の税制改正…2018年4月1日以降に開始する事業年度に生じた

欠損金について、繰越期間が10年とされたことに伴い、

帳簿書類の保存期間が10年に延長


●2015年度、2016年度の税制改正…2018年4月1日以降に開始する事業年度に

生じた欠損金について、繰越期間が10年とされたことに伴い、

帳簿書類の保存期間が10年に延長伴い、帳簿書類の保存期間が10年に延長

法人税法と会社法で保存期間が異なりますが、最長の保存期間は10年です。

帳簿の書類などは年度ごとにまとめて保管し、

10年が経過したら廃棄していくようにしましょう。


スマートフォンの撮影画像でも保存OKに


これまで書類は紙の原本で残しておくことが必須となっていましたが、

1998年施行の『電子帳簿保存法』により、

法人税施行規則第59条第4項等に規定する『帳簿書類』に

該当する場合は、デジタルデータやスキャン画像での書類保存が容認されました。

また2016年の同法改正により、スマートフォンやデジタルカメラの撮影画像での

保存も可能になっています。

 書類の電子化は、初めは大変かもしれませんが、

実行すれば大幅な作業の簡易化・効率化が期待できるでしょう。

 税務調査時に書類の保存義務違反が明らかになると、青色申告が取り消され、

税務署の推計で所得税や法人税が課されたりするなど、

大きな不利益を招くおそれもあります。

日頃からしっかりとした書類の保存管理と、

わかりやすい整理整頓を心がけておくことをおすすめします。


  法人・個人の申告から日々の経理処理の仕方まで細かく丁寧な

  指導ご提案をいたしております。お気軽に斎賀会計事務所に、ご相談ください。


 『企業版ふるさと納税』でどれくらい節税ができる?  2019-2-21

  地方の活力維持に伴う、地方創生の一環

として、自身の故郷や応援したい自治体に

寄付する『ふるさと納税』。

  寄付した側が所得税や住民税の還付や

控除が受けられる上に、返礼品がもらえると

あって、2018年度には、295万人以上が

この制度を利用し、寄付額の合計は

3,481億円を突破しました。

  この大人気の『ふるさと納税』に『企業版』があるのはご存知でしょうか。 

  今回は、2016年度の税制改正によってスタートした『企業版ふるさと納税』について、

ご紹介します。


『個人版』と『企業版』の違いとは? 


『企業版ふるさと納税』とは、正式には『地方創生応援税制』といいます。

「地方創生を応援する」という根本的な考え方は、

個人版のふるさと納税と変わりありません。

『個人版』では、寄付額の大部分が控除されますが、

『企業版ふるさと納税』でも、法人住民税、法人税、法人事業税から

一定の割合が寄付額から控除されます。

『企業版ふるさと納税』が創設される以前は、

企業の地方自治体への寄付は、損金算入として、

寄付額に対して約3割の税の軽減効果がありました。

 その後、『企業版ふるさと納税』がスタートすると、

そこからさらに寄付額の最大3割が控除されることになりました。

  つまり、寄付額の最大6割もの税負担が軽減されることになったのです。

税額控除の詳細は以下のとおりです。

①法人住民税

寄附額の2割を税額控除(法人住民税法人割額の20%が上限)

 
②法人税

法人住民税の控除額が寄附額の2割に達しない場合、寄附額の2割に相当する額から

法人住民税の控除額を差し引いた額を控除(寄附額の1割、法人税額の5%が上限)

 
③法人事業税

寄附額の1割を税額控除(法人事業税額の20%が上限、ただし、

平成29年度の地方法人特別税廃止後は15%)

 また、『企業版ふるさと納税』は、地域創生の計画を立て、

国がその地域創生事業を認定している自治体に限ります。

 認定された地域創生事業に関しては、

内閣府や地方自治体のHPなどで発表されています。

 企業においては、その自治体の地域創生事業に賛同できると思ったり、

もしくは、地方公共団体から寄付の申し入れがあったりした場合に、

検討したうえで寄付を行えばいいわけです。


『企業版ふるさと納税』を行う際の注意点

 地方を応援し、社会貢献を対外的に大きくアピールできるのは、

企業のイメージアップにもつながります。

  現在、多くの企業がこの『企業版ふるさと納税』を行っていますが、

いくつか注意点もあります。

まず、『企業版ふるさと納税』には、個人版のような返礼品はありません。

寄付を行うことの代償として、地方自治体から利益を受け取ることは禁止されています。

具体的には、入札等で便宜を図ったり、有利な利率で融資を行う等が当てはまります。

また、寄付の払い込みについては、地方公共団体が創生事業を実施し、

事業費が確定した後に行い、本税制の対象となる寄付は、

確定した事業費の範囲内までと定められています。

ほかにも、自分の会社の本社(地方税法における「主たる事務所又は事業所」)

がある地方自治体には寄付することができないようになっていたり、

寄付は10万円以上に定められていたりと、

留意しなければいけない点はいくつかあります。

  活用する前に、ポータルサイトでチェックしたり、

専門家からアドバイスを受けたりするなどして、正しい知識を得ておくことが大切です。 


 平成30年の地方自治体の創生事業と寄付事例 

 2018年も多くの地方自治体で、さまざまな創生事業が計画され、

企業から多額の寄付金が集まりました。

  たとえば、2013年に世界農業遺産に認定された

国東半島宇佐地域に属する大分県の杵築(きつき)市は、

平成30年から31年にかけて、

“「世界農業遺産の里」が育む医薬生産基盤確立プロジェクト”と題し、

事業費2,400万円をかけた創生事業を計画しました。

  この計画は、薬用植物の国内栽培化に向けた種苗の育成・増産を図るために、

廃校となった農業高校跡地を利用し、

薬用植物の種苗増産のための設備投資を行うというもので、

同時に、薬用植物以外の野菜の種苗を

生産・出荷する体制を構築するという目的があります。

  この計画に寄付を行ったのが、のど飴などでおなじみの、

東京に本社を置く製薬会社『龍角散』でした。

  薬用植物の国内栽培による安定供給を望む龍角散側が、

杵築市の創生事業に賛同し、今回の寄付に至ったというわけです。

  このように、今、多くの企業から注目を集めている『企業版ふるさと納税』。

税金が控除されるという大きなメリットがあるうえに、

社会貢献を行うことによる会社のイメージアップにもつながります。

  自社の事業に合致する地方自治体の創生事業を応援することは、

将来的に大きなリターンとなることも考えられます。

 活用を検討してみてはいかがでしょうか。         

 
   企業版ふるさと納税はもちろん、個人の寄付についてもご相談を承っております。

 お気軽に斎賀会計事務所に、ご相談ください。


 購入した本は、すべて『新聞図書費』になるとは限らない? 2019-2-18

  書籍を購入した場合の費用を

経費に計上する際、『新聞図書費』

という勘定科目で計上します。

  新聞図書費は、従業員の専門知識や業

界知識を得るために活用されるべきもので、

ひいては会社の成長につながる“必要経費”と

して処理されます。

  ですが、すべての書籍が経費として計上できるわけではありません。 

今回は、勘違いしやすい新聞図書費の概要や、

経費計上の際の注意点などを解説します。

 

『新聞図書費』は事業に関係あるもののみ

  業種や職種によっては、その分野における専門知識や業界知識などが

身についていないと、業務に支障をきたす場合があります。

  そのために、会社の経費で新聞や書籍、

雑誌などを購入する必要性がでてきます。

  このような理由で購入した書籍等の経費のことを『新聞図書費』といいます。

新聞図書費に仕訳されるものは、新聞や書籍のほかに、下記のようなものがあります。

・専門書籍購入費用

・雑誌の購入費用、定期購読費用

・官報購入費用

・新聞購読料

・住宅地図等の購入費用

・統計資料の購入費用

・路線価図、都市計画図などの購入費用

  仕訳の際のポイントは、経費の“名目”ではなく、

事業に関係あるかという実態”です。 

  法人であれば、新聞は経費になりますが、

個人事業主の場合は事業に直接関係がある場合のみ経費になります。

また、会社のオフィスの休憩室などに新聞や雑誌を備え付ける場合は、

新聞図書費ではなく、『福利厚生費』となります。

 また、一時的に雑誌や新聞を購入する必要が出た場合は、『雑費』として計上します。


経営ノウハウ本や投資の本は?

  新聞図書費になるかどうかは、事業に関係あるかどうかです。

経営ノウハウ本は、読み手の思考や仕事のやり方の指針を示すものであり、

事業に直接関係するとはいえないので、新聞図書費には計上できません。

また、株式投資やFX投資、不動産投資に関する本は、

投資を事業として行っている会社であれば新聞図書費として計上できますが、

それ以外の会社は上記と同じ理由につき、基本的には認められません。

これは法人でも個人事業主でも同じです。


年間定期購読や10万円を超える資料の場合は注意

  雑誌を1部ずつ購入するのではなく、年間で定期購読する場合、

経理上の処理が変わることがあります。

年間定期購読は通常、1年分の購入費用を前払いすることになります。

  決算をまたぐ場合は、決算月までの期間の代金を新聞図書費として計上し、

決算月以降の代金は“前払金”として計上します。

また、新聞図書費扱いにできる百科事典やシリーズもののような書籍は、

まとめて購入すると10万円を超えてしまうケースがあります。

そのような場合は、全巻セットで取引されているものであれば“減価償却資産”として

計上する決まりになっています。

  ただし、1冊ずつ分けて購入することができ、

1冊当たりの金額が10万円以下であれば、

新聞図書費として計上することができます。

  書籍の購入費用を新聞図書費に全額計上している

企業も少なくないと思いますが、原則として事業に関係のない書籍は、

新聞図書費として計上できませんし、計上時期にも注意が必要です。

 
  税務調査の際にきちんと説明ができるように、

普段からしっかりと仕分けしておくことをおすすめします。

  斎賀会計事務所では、毎月の経理処理、仕分けなどの普段の

ちょっとした困ったにも丁寧に対応させていただいておりますので、

お気軽にご相談ください。 


従業員の解雇とは違う?取締役を解任するときの注意点   2019-2-8 

  経営ビジョンの違い、不正行為、能力不足などの

要因で、取締役の解任を検討するケースがあるかも

しれません。このときに念頭に置いておかなければ

ならないのは、“取締役の解任には大きなリスクが

伴う”ということです。今回は、取締役を解任する

方法と、解任する際の注意点について解説します。


取締役は正当な理由なく解任できる

従業員を解雇する場合、無断欠勤を繰り返しているなどの、

解雇する“正当な理由”が必要ですが、取締役の解任には

正当な理由は必要ありません。

 取締役の解任については、会社法339条1項で、

役員…は、いつでも株主総会の決議によって解任することができる』

と定められており、不正行為や能力不足などの正当な理由は必要ありません。

 ただし、原則として、株主総会決議において

『議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、

出席者の過半数の賛成』が必要となります。

なお、定款で『決議権を持つ株主の3分の2以上の賛成が必要』など、

取締役の解任に関する取り決めをしてある場合は

この限りではないため、定款を確認する必要があります。

 では、正当な理由が必要ないからといって、

どのようなケースでも取締役を解任してもよいのかといえば、

そうではありません。

正当な理由なく解任した場合、相手の取締役から

損害賠償を請求されることがあります。

会社法339条2項では、

『解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、

株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる』

と定められています。

請求できるものには、任期満了まで取締役を務めていれば

得られたはずの報酬や、退職金などがあります。


取締役解任の“正当な理由”とは?


では、取締役を解任するにあたり、“正当な理由”として

認められやすいケースと認められにくいケースを見ていきます。


■正当な理由と認められやすいケース


・その取締役に心身の故障が認められる

・横領や背信などにより会社に損害を与えた

・取締役としての職務遂行能力が欠けている

・重大な経営判断においてミスをした


■正当な理由と認められにくいケース

・「社長がその取締役と馬が合わない」などの感情的な理由

・ほかの取締役を迎え入れるために解任したい


 会社法で解任の要件として『正当な理由は必要なし』とされていても、

実際は社会通念上、妥当な理由が必要なことがわかります。

取締役の解任に伴う会社のリスクを低減させたいのであれば、

解任よりも辞任の方向で進めるほうがよいでしょう。

 いずれにせよ、不適切な対応は会社のリスクとなる恐れがあるため、

慎重に進めることが肝要です。


役員、取締役の退職による退職金や議事録の作成などでお困りのときは、

お気軽に斎賀会計事務所へご相談くださ。


どうして減らすの? 資本金の減資のメリット 2019-01-30

  企業が事業を開始するときに準備する

資本金は、その後の経営状況によって増資

あるいは減資することができます。

『減資』というと、業績悪化などを連想

しやすいですが、実は大きなメリットが

あり、多くの企業が利用しています。

ここでは減資のメリット・デメリットと、

実際に減資を行った会社の実例をご紹介します。


減資を行うメリット・デメリットは?

 資本金を増やす『増資』と違い、減資には経営不振などのマイナスイメージが

伴いがちです。それでも企業が減資を行うのは、累積赤字の補填や節税といった

メリットがあるためです。

 『累積赤字』とは、これまでに積み重なった赤字のことです。

赤字企業は銀行などからお金を借りづらくなりますが、

この累積赤字を資本金と相殺すれば、貸借対照表の見た目が整えられます。

貸借対照表は銀行や取引先などへ開示されることがあるので、

たとえ帳簿上でも累積赤字がなくなれば、印象は随分よくなります。

 また、日本では資本金が少ないほど、課される税金も低くなります。

原則として資本金が1億円以下なら法人税法上では中小企業に該当するため、

大企業と比べると数百万から数億円も税金の負担が軽くなります。

ただし、保険業法に規定する相互会社や資本金の額又は出資金の額が

5億円以上である法人と完全支配関係にある普通法人は、

中小企業から除かれるため、注意が必要です。

 減資のなかでも余剰資金分を株主に払い戻す“有償減資”だと会社の財産が減りますが、

上記のような“無償減資”なら財産は変わりません。

ただし、資本金は企業の信用度をはかる際の指標となるため、

減資によって信用度が低下し、取引機会などを逃してしまう可能性も

考慮する必要があります。


減資を行った会社の実例

実際に減資を行った例をご紹介します。

 2015年、経営再建中であったシャープは、

資本金を約1,200億円から5億円に減資し、累積赤字を相殺しました。

当初は1億円にまで減らすつもりでしたが、株式市場、政府、マスコミなどから

批判が出たため実現しませんでした。

 また、吉本興業は2015年に約125億円の資本金を1億円に減資しました。

吉本興業はシャープとは違い上場企業ではなかったため、

株式市場から批判が出ることもなく、6月の株主総会で承認を受け、

9月に実施されました。

 減資にはメリットがありますが、節税のみを目的とした減資は

税制の悪用と捉えられますし、社会的責任からも行うべきではありません。

合理的に説明できる目的や理由がある場合にのみ行いましょう。


 加えて、例えば株式会社が減資を行う場合は原則として

株主総会の特別決議を行う等、減資による節税にはさまざまな条件があるので、

事前によく調べ、慎重に進めることが大切です。


会社の経営状況を詳しくお伺いし、適時適切な申告や経営の助言や指導を行っています。

お気軽に斎賀会計事務所へご相談ください。


開業後2年間は消費者免除となる『事業者免税点制度』とは? 2019-01-23

新規開業した個人事業主及び法人を対象に、

開業後2年間は消費税の納税が免除される

事業者免税点制度』。

この制度が、個人事業主で先代から事業を

引き継いだ後継者に対しても適用され、

2016年までの3年間で210人が免税となって

いることが会計検査院の調査でわかり、

問題視されています。 

本来、『事業者免税点制度』は開業する際の税負担を

考慮して設けられているものです。

そこで、正しい知識を持って利用していくために、制度の内容をご説明します。 


『事業者免税点制度』の概要と適用条件は?

事業主は、消費税を納税する義務がありますが、

開業したばかりの頃は、税負担が経営を圧迫するという懸念から、

『事業者免税点制度』という制度が設けられています。 

『事業者免税点制度』とは、

開業から2年間は消費税を納める義務が免除される制度のことで、

適用されるにはいくつかの条件があります。 

まず、新規開業した法人について、原則的に設立時の資本金が1,000万円未満であれば、

そこから2年間は消費税が免除されますが、

資本金が1,000万円を超えてしまうと、『事業者免税点制度』は適用されずに、

課税事業者として、消費税を納税しなければいけません。 

また、すでに開業している場合でも、

2年前の“基準期間”における課税売上高が1,000万円以下である者については

原則にかかわらず、その課税期間中に国内において行った

課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき消費税の納税義務が免除されます。 

“基準期間”は、個人事業主と法人とでは微妙に異なります。

個人事業主の場合は、その年の前々年(2年前)が基準期間になり、

法人の場合は、その事業年度の前々事業年度(2年度前)が基準期間となります。 

ただし、個人事業者であれば、

その年の前年の1月1日から6月30日までの期間、

法人であればその事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間における課税売上高

あるいは従業員への支払給与総額が1,000万円を超える場合

又は課税事業者を選択している場合には、

『事業者免税点制度』は適用されません。

 その際の基準は、課税売上高か支払給与総額か、

どちらか有利なほうを事業者が選ぶことができます。

たとえば、支払給与総額が1,000万円を超えていて、

課税売上高が1,000万円以下だった場合は、

課税売上高の基準を選択し、

『事業者免税点制度』を適用させることができるというわけです。 


事業承継でなぜ『事業者免税点制度』が適用される? 

今回、会計検査院の調査で問題視されたのは、

家業を承継した場合の『事業者免税点制度』の取り扱いについてでした。

先代から次の世代が家業を継ぐ場合は、

『廃業届』と『開業届』を提出する必要がありますが、

この『開業届』をいわゆる“新規参入の届け”と同一に扱っていたことがわかりました。 

会計検査院が、2014年に先代から事業を引き継ぐために

『開業届』を提出した個人事業主らを調査したところ、

収入状況を把握できた212人全員が『廃業届』を出した翌日に『開業届』を提出。

その大半が先代の頃から何らかの形で事業に関わっており、

収入も先代と同規模だったことが判明しました。 

先代から事業を引き継ぎ、ほぼ同じ事業をしているにもかかわらず、

新規参入者と同じ『事業者免税点制度』が適用され、

消費税が免除されていたことについて、

検査院は「制度の趣旨に反する」としています。 

家業を承継する場合は、『事業承継税制』など、

贈与税・相続税の納税が猶予される制度もありますので、

適切な制度を利用することが重要です。 


『事業者免税点制度』のより詳しい利用法や、

開業時の申請・届出・申告等 でお困りのときはお気軽に

斎賀会計事務所へご連絡ください。


36協定に法内残業は含まれる? 2019-01-15

1日の所定労働時間は7時間30分の場合、

従業員に時間外労働を命じたとき

法定残業時間である8時間までの30分で

あっても割増賃金を支払うのでしょうか?

また、36協定の届出に関する注意は?       


【結論】

法定内残業(始業時間から休憩時間を除いた実働8時間までの労働時間)の場合は、

割増賃金の支払いは不要です。

つまり、所定労働時間が7時間30分の会社で、

実働8時間までの30分間残業した場合、

時間単価が1,000円の従業員であれば、30分の法定内残業は500円を支払えば足ります。

8時間を超えると25%以上の割り増しの支払いが必要になります。

ちなみに、大企業は2019年4月から労働基準法(労基法)の改正によって、

時間外労働には上限時間に規制が加わるうえに罰則付きになります。

中小企業は1年遅れて2020年4月から適用されます。

36協定の様式も2種類に変わるので注意が必要です。


36協定の現況


労基法36条では、時間外・休日労働協定に関する協定届、

いわゆる36(サブロク)協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることによって、

法定労働時間(1日8時間または週40時間)を超えて、

または法定休日(週1回の休日)に労働させることができます。

いわゆる法定内残業を含む協定は、

一見すると延長時間を法定時間になおすと何時間になるか不明となり、

不適法な協定といえると解されています(昭57・8・30基発569号)。

しかし、『一定期間についての延長時間として、法定労働時間を下回る事業場の

所定労働時間を基準に定めた時間外労働時間の限度を協定し届け出る例、

(中略)が少なからずみられるところである。

これらの届出は本来適正な届出とは認められないが、労使慣行への影響等を配慮して、

当分の間やむを得ないものとして取り扱うこと』

(昭57・8・30基発569号、平元・2・15基発65号)として、

現実の労使の慣行を考えて当面は協定をやむなく受理していくという方針です。


2019年4月から時間外労働は罰則付きに

しかし、働き方改革関連法によって労基法が改正され、

これまでとは事情が変わることになりました。

36協定で定める時間外労働に関しては、企業に罰則付きの

上限が設けられることになったのです。

罰則とは、雇用主に半年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるというもので、

大企業は2019年4月から中小企業は1年遅れて2020年4月からの適用になります。

では今後、どのような点に注意して時間外労働を取り扱っていけばいいのでしょうか。

厚生労働省のWebサイトにて、

『36協定で定める時間外労働及び休日労働について

留意すべき事項に関する指針について』が公表されています。

厚生労働省のWebサイトによれば、

時間外労働の上限は月45時間・年360時間』と定められています。

そして、『臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。

臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、

年720時間、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、

月100時間未満(休日労働を含む)を超えることはできません』と記載されています。

さらに、月45時間を超える時間外労働は年間6カ月までです。

また、やむなく時間外労働をさせる場合は、

『医師による面接指導』『深夜業の回数制限』『連続休暇の取得』などを行い、

労働者の健康・福祉を確保することが求められます。


36協定の様式も変更に

同時に、36協定の様式も見直されました。

現在の36協定の様式では、延長することができる時間の欄には、

『1日』と書かれています。

しかし、新様式では、1日の欄は、『法定労働時間を超える時間数』と、

『所定労働時間を超える時間数(任意)』という形に分けられているのです。

様式は労規則の最後にまとめられている形になっています。

記入例は厚生労働省『時間外労働の限度に関する基準』(2017年3月)にあります。

新様式も2019年4月から適用となります。

新しい36協定の様式にスムーズに対応できるように確認しておきましょう。


罰則付きになる以上、うっかり時間外労働を超えてしまったなどということは

避けなくてはなりません。

そのため、企業はこれまでよりもさらに従業員の労働時間を

適切に管理していくことが求められます。

これからどのように管理していけばいいのか、

今一度、自社の労働時間の管理体制を見直すようにしましょう。


*貴社の労働保険・ 就業規則についての不明点。又、それに伴う経理処理でお困りのときは、

お気軽に斎賀会計事務所へご連絡ください。


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